日経12月16日記事 「韓国企業 強さの秘密」 上

 今日の日経朝刊で、「韓国企業 強さの秘密」という特集記事が始まっています。
 いつも紹介されるサムスンだけでなく、白物家電に強い「LG」も紹介されています。


 パナソニックには優れた環境技術があり、市場への浸透も早いだろう」と話すのは、白物家電を統括するイ・ヨンハデジタルアプライアンス事業本部長。だが「冷蔵庫を実際に使ってもらい、評判が広がるには10年かかる」とも付け加える。韓国勢を追い越すには時間差を埋める戦略が必要だ。


 この記事を見ますと、グローバルな白物家電業界では、すでに日本メーカーのはるか先を行っているLGですが、まだ日本メーカーを意識してはいるようです。
 今年に入っての、日系メーカーによる欧州での環境訴求商品の投入、も踏まえての発言でしょう。

 冷蔵庫が受け入れられるのに10年かかる、とのことですが、私の経験では、手っ取り早く受け入れられる可能性があるのが冷蔵庫であり、どうしても時間がかかるのが洗濯機です。冷蔵庫はデザインなどの感性価値の比重が高いので、デザインが気に入れられれば売れやすい。一方、洗濯機は、信頼性・耐久性が重要であり、安心で長持ちするというブランドをつくるためには、実績を積み重ねばならず、非常に長い時間が必要となるのです。


 LGも、欧州では、洗濯機に多くのイノベーショナルな機能を付加し、欧州ブランドにくらべ、スペック・価格ではるかに勝る商品を投入してきました。しかし、努力のわりに販売を伸ばせてきていない、というのが実情です。
 一方で、サイドバイサイド冷蔵庫という高級冷蔵庫カテゴリーでは、欧州ブランドの影は薄く、サムスンとLGで市場の大部分を押さえています。これは、韓国ブランドが、このカテゴリー自体を創ってきたということもありますが、信頼性や耐久性より、デザイン性やあこがれのイメージで購入される、という商品の特性によるものも大きいと思われます。