2009-10-01から1ヶ月間の記事一覧

「『美の文明』をつくる−『力の文明』を超えて」 川勝平太著

6,7年前に、この著者の「文明の海洋史観」という本を読み、梅棹忠夫の「文明の生態史観」をさらに展開させている学者なんだろうと思っていました。この本は、そのあとに買った本なのですが、途中まで読んでそのままになっていました。 ところが先日、著者…

「竹島密約」 ロー・ダニエル著

この本は、竹島がどの国のものかという「領土問題」について語っているわけではなく、日韓国交正常化の交渉を中心に、両国間のやりとり・駆け引き、そしてそれを巡る当時の両国の世相について語っている本です。 「竹島」という、感情的に流されやすいセンシ…

日経ビジネス2009.10.26 特集「カイゼンを壊せ」

日本企業におけるかつての強みであった「カイゼン」志向が、現在では昔ほどの強みにはなっていないのではないか、むしろ「カイゼン」に邁進しているうちに、周りの世界がひっくり返っているのではないか、ということを何度か書いてきました。 今週号の「日経…

なぜ欧州人とは話が噛み合わないのか?(続)

以前、このテーマで書いたことの続きです。http://d.hatena.ne.jp/santosh/20091013/1255448264 先日書いたことは、欧州人と話が噛み合わないことの背景として、議論の内容以前の問題として、まず前提となる基礎知識・基本認識(歴史、文化から一般常識まで…

「ブルー・オーシャン戦略」W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著 (続)

「ブルー・オーシャン戦略」については、まだまだ書いておきたい内容があるので、続編です。「なるほど」と思った部分をピックアップしてみます。 ○戦略論は、レッドオーシャンでの競争を何よりも重視してきた。企業戦略は兵法に根ざしていている。・・・・ …

「ブルー・オーシャン戦略」W・チャン・キム+レネ・モボルニュ著

今年の夏休みに読んで、いたく感心した本です。 数年前から、この本が本屋に平積みになっていたのは知っていたのですが、「血みどろの既存市場ではなく、未開拓な市場(ブルーオーシャン)を創造すべき」などという紹介文の字面だけを見て、「そんなの言われ…

김현철/9집 - TALK ABOUT LOVE Kim Hyun Chul

音楽のことについて書いてみます。音楽については、いくらでも書くことがあるのですが、今日はまず、最近聞いているCDのことから。 最近、週末の夜遅くに聞いているのが、韓国のミュージシャン 김현철 Kim Hyun Chul/ キム ヒョンチョルの「Talk about lov…

「日本「半導体」敗戦」 湯之上 隆著

一時は圧倒的に市場を押さえていた日本の半導体産業が、なぜここまで衰退したのか、について、前から興味があったので、読んでみました。 もともと私が素人目に考えていたのは、SAMSUNGなどの競合メーカーが、不況期にも戦略的に大型投資を行ったのに対し、…

なぜ欧州人とは話が噛み合わないのか?

再び独断的文化論です。 私の周囲を見ますと(私の経験はビジネスに限られますが)、欧州人と議論をすると、話が噛み合わない、ということが多々あります。というより、噛み合うことの方が珍しい、と言った方がよいでしょう。いつも、相手がどのような反応を…

「イタリア式ブランドビジネスの育て方」小林元著

普段行かない本屋さんで偶然見つけて買ってきました。字が大きく読みやすいので2時間ほどで読めてしまいました。 著者は、東レが開発した「エクセーヌ(日本名)」という極細合成繊維を欧州で販売するため、北イタリアに合弁会社をつくり、一からラグジュア…

「本当はヤバイ!韓国経済」三橋貴明著

少し古い本ですが、今頃になって読みました。ずいぶん売れた本のようで、その後続編も出てシリーズ化されていますが、私はまるで興味がなく、視野に入っていませんでした。同じ「中小企業診断士」が書いた韓国経済の本、ということであらためて発見し、読ん…

欧州人にとっての遠まわしな表現は?

昨日に続いて、独断的文化論ネタをひとつ。 物事を断るときなどに、あいまいな表現を使うのは日本人の性だと思います。それでは欧州人は物事をあいまいにせず、いつも直接的に表現するのでしょうか? それもまた違うようです。 欧州人も、いつも白黒をはっき…

ドイツ人は相手の年齢を気にしないのか?

今日は、仕事でドイツ人と接して感じることのひとつを紹介します。 相手の年齢を聞くと、不思議に思われるらしい、ということです。 日本人の感覚では、まず相手の年齢を把握しないと、相手との関係がはっきりせず落ち着かない。年齢をベースに、人と人の関…

「ある韓国外交官の戦後史」梁世勲著

こちらもこの1週間に読んだ本です。最近ずいぶん本を読んでいるなあと思います。近所のショッピングモールにある本屋さんで発見し、立ち読み(最近は椅子を置いている本屋さんが多いので、正しくは「座り読み」)していたのですが、途中まで読んで面白そう…

「危機の経営 サムスンを世界一企業に変えた3つのイノベーション」畑村洋太郎+吉川良三著

続けてこちらもこの1週間に読んだ本です。 この本の共同執筆者である吉川さんは、94年からSAMSUNGの常務として、ものづくりの革新に取り組まれたそうです。書店の新刊コーナーでこの本を見つけ、迷うことなく買って帰りました。 グローバルの家電市場で仕事…

「現場からの中国論」大西広著

とりあえず最近読んだ本について思うところを書いてみたいと思います。 最近の中国関連の本は、安易な中国バッシングに偏りすぎているように思えます。中国を叩く内容は、わかりやすく面白いので、商売的には売れるのでしょうが、あまりにこればかりになって…