読書日記

「日韓インテリジェンス戦争」 町田貢著を読む

ここのところ韓国関連の本が続いています。 いつも出かける大阪ジュンク堂の新刊コーナーに並んでいた本です。昨日の夜にいっきに読みました。 著者は、天理の韓国語専攻から外務省に入省し、60年代初から50年あまり韓国・朝鮮を専門に扱ってきたという…

「脱日する韓国」 澤田克己著 を読む

4年ほど前に買ったのですが、読むことがなくずっとそのままになっていた本です。今日、本棚にあるのを見つけ、あらためて読んでみました。 著者である澤田氏は、私がその昔、韓国に留学していた当時('89年)の友人です。大学3年次を終えてソウルに1年間…

「ビルマ商人の日本訪問記」 ウ・フラ著 を読む

正月休みは、仕事とは関連のない一般教養の本を読む良い機会です。この本も近所の本屋で見つけ、正月休みに読もうと思っていた本でした。 著書のウ・フラ氏は、1900年生まれ。ビルマの地方都市に住んで商売をしていたのですが、見聞を広めビジネスチャンスを…

「国家の命運」 藪中三十二著 を読む

正月休みに読んだ本がもう1冊あったのを忘れていました。薄い新書なので、北海道から関西へ戻ってくる道中で読んでしまいました。 著者の薮中氏は、先日まで外務事務次官を勤めていましたので、テレビではよく顔を見かけていました。 この本では、80年代…

「鉄屑ロマン」 増井重紀著 を読む

正月休みに読んだ本です。 著者は、商社マンから、アメリカの大手鉄屑会社の経営者となり、世界を股にかけ、鉄スクラップ一筋のビジネス人生を送ってきたという方です。引退したビジネスマンが、自慢話主体の自伝や体験談を本にすることはよくありますが、こ…

「外交官が見た『中国人の対日観』」 道上尚史著

昨日、新刊で出ているのを本屋で発見して、今日の夜に一気に読んでしまいました。 著者は、外交官としてかつて韓国に赴任し、当時の韓国での経験を「日本外交官、韓国奮闘記」という本にまとめられています。私は10年近く前に、この本を読んで、外交官もここ…

「ドイツは過去とどう向き合ってきたか」 熊谷徹著

ここのところ日本の戦争責任について書いてきたのですが、日本の戦争責任の取りかたを評価するにあたって、いつも引き合いに出されるのはドイツの事例です。日本=悪い例、ドイツ=良い例、というのが今まで良く言われてきたことだと思います。 そこでドイツ…

「国防」 石破茂著

先日紹介した、田母神氏の論文に対する石破氏の的確なコメントに感心し、今度は石破氏の本を読んでみました。 石破氏が、防衛庁長官を退任後、政府の一員としての立場を離れ、より自由な立場から、一般の人を対象に、日本の防衛について書かれた本です。 私…

「自らの身は顧みず」 田母神俊雄著

一昔前に、ずいぶんと話題になった本ですが、今頃になって、中古本を買って読んでみました。 懸賞論文に応募し、最優秀賞を受賞した論文が巻末に掲載されています。本の内容は、基本的に、この論文に書かれた内容を、さらに肉づけして語ったものです。 巻末…

「歴史と外交 靖国・アジア・東京裁判」 東郷和彦著

8月になると、テレビに戦争関連の番組が多くなります。先日、近所の本屋に行ったら、本屋でも戦争モノコーナーができていて、普段目につかない本が平積みされていました。数冊買い込んできたうちの一冊がこの本です。 著者は、外務大臣を2度務め、極東軍事裁…

「いつまでも経済がわからない日本人」 三橋貴明著

新刊本として本屋で平積みされていたのを見つけて買ってきました。 三橋氏は、マクロ経済を、用語の解説から始まって、素人にもわかりやすく説明してくれます。特に、B/SやP/Lなど企業財務の用語や考え方を使ってマクロ経済を説明してくれるので、学校で基本…

「日本人が知らない『儲かる国』ニッポン」 ティム・クラーク&カール・ケイ著

あるブログで紹介されていたのを見て、アマゾンで中古本を購入しました。読むのがとぎれとぎれになってしまい、読み終わるまでに2〜3カ月かかりました。 外国人起業家の目で見た日本のサービス業という珍しいテーマで、かなりマイナーな本だと思います。 …

黒木亮著 「エネルギー」を読む

夏休み中に、沖縄のリゾートで、黒木亮著「エネルギー」という本を読みました。ずいぶん前にアマゾンで中古本を買ったのですが、上・下2巻の本で結構分量があるので、なかなかいざ読もうと言う気力が出ず、ずっと本棚に置きっぱなしになっていました。今回…

「プレゼンテーションzenデザイン」 Garr Reynolds著

先週の日曜に京都に行った際、ジュンク堂書店に平積みされていたのを見て、2400円もする本でしたが、きれいなビジュアル例もたくさん載っているし、何か参考になるかなと思い買ってきました。 「プレゼンテーションzen」という、以前よく本屋で見かけた、平…

「技術力で勝る日本が、なぜ事業で負けるのか」 妹尾堅一郎著

今日は真打ち登場です。 タイトルを見れば、どんなテーマについて書かれているのかがすぐわかる本です。1年前に出版されていますので、本屋では何度も見かけていたのですが、「知財」という絞られた切り口から書かかれている本なのかと思い、あまり興味が無…

「スマートグリッド」とは何だろう?

「スマートグリッド」という言葉は、昨年からたびたび耳にするようになりました。「スマートグリッド」の普及によって、あたかも社会が大きく変わり、ビジネスのチャンスもどんどん生まれるかのように言われているのですが、一方でいったい何のことなのやら…

「戦場の掟 BIG BOY RULES」 Steve Fainaru著

GW休みは、いろいろ読書をしようと思っていたのですが、中途半端に仕事のフォローをしたりしているうちに、あっという間に終わってしまいました。 この本は、2008年度のピューリッツァー賞を受賞した本だそうで、帯のコピーには、「血が流れ、肉片が焦げ、…

「超ガラパゴス戦略」 芦辺洋司著 

昨日に引き続き、「ガラパゴス」つながりの本です。 数ヶ月前に買った本ですが、途中まで読んだまま放ったらかしになっていました。さらに、間違ってアマゾンで同じ本をもう1冊買ってしまいました。今日、やっと通しで読むことができました。 昨日書いた「…

「世界クジラ戦争」 小松正之著 〜 欧米人は論理的というより観念的ではないか

「シーシェパード」による妨害の件などで、捕鯨を巡る軋轢はたびたびニュースになっています。昔からクジラ肉を食べてきた日本の文化を認めようとしないアングロサクソン国家の一方的な態度に、憤りを感じている日本人は多いと思います。 著者は、水産庁で長…

「ソニー VS サムスン」 張世進著

韓国人の経営学者がソニーとサムスンの経営を分析した本です。昨年に読んだ本なのですが、最近ソニー、サムスンとも話題にはこと欠かないので、あらためてひっぱり出して、内容をおさらいしてみました。 内容としては、ソニー・サムスン両社の戦略、組織プロ…

「『見えない資産』の大国・日本」 大塚文雄、R・モース、日下公人著

3週間ほど前に、大阪のジュンク堂で新刊として並んでいるのを見て、面白そうなので買って来ました。夜、家に帰ったあとに少しずつ読んでいたので、先に進んだり戻ったりでずいぶん時間がかかったのですが、一気に読めば、3時間程度で読めそうな本です。 大…

「甦る零戦 国産戦闘機 VS F22の攻防」 春原剛著

日本でも戦闘機の開発をやっている、というニュースをテレビ番組や新聞で見て、前から気になっていた本です。アマゾンで中古本が出てきたので、やっと購入して読みました。 この本がメインに扱っているのは、・日本の時期FX戦闘機を巡る、日本の希望するス…

「されど、愛しきソニー」 蓑宮武夫著

「元役員が本気で書いたソニー復活の劇的復活のシナリオ」というサブタイトルと、「寺島実郎氏推薦」という写真入りのオビを見て、これは凄いことが書いてあるのか、と思い買ってきたのですが、正直、マーケティングコピーが踊っているタイプの本でした。 著…

「午前4時、東京で会いますか?パリ・東京往復書簡」 シャンサ×リシャール・コラス著

もともと2007年に出版されていた本のようですが、先日、近所の本屋さんで、文庫本になって平積みされているのを見つけ、買ってきました。 日本に長く住んでいるフランス人であるコラス氏と、フランスに長く住んでいる中国人であるシャンサ氏、という異色の取…

「ザ・クリスタルボール 売上と在庫のジレンマを解決する!」 エリヤフ・ゴールドラット著

先日、関空の本屋さんで、「在庫を大幅に減らしながら、利益を上げる!」と書かれたコピーに惑わされて購入し、欧州行きの飛行機の中で読んだ本です。 ゴールドラット氏の本は、TOC理論を読み物風に紹介した「ザ・ゴール」が有名で、私もずいぶん前に読み…

「『坂の上の雲』に隠された歴史の真実」 福井雄三著

「坂の上の雲」のTVドラマ放映が始まりましたので、書店では関連書籍が平積みされています。この本も、もともと2007年に文庫化されていた本ですが、最近重刷されたようです。文章はとても読みやすく書かれています。 この本のテーマは、戦後の社会に大…

「フレームワークを使いこなすための50問 なぜ経営戦略は機能しないのか?」 牧田幸裕著

経営戦略に関する教科書は多いですが、今まで読んだ本の中では、この本が一番わかりやすかったと思います。 単なるフレームワークの説明ではなく、その考え方を、どのタイミングで使うべきなのか、どのように誤解されやすいのか、正しく使えていない例ではど…

「アクセンチュア流 逆転のグローバル戦略」西村裕二著

現在の日本企業を対象に書かれた本なので、我々がまさに喫緊の課題として認識しているテーマがとり挙げられています。グローバルに戦い、そして苦戦している、日本企業で勤務している人達には、実感を持って読むことができるでしょう。 一般に日本企業では常…

「なぜ日本の製造業は儲からないのか」 石川和幸著

非常に端的でわかりやすいタイトルの本です。 本文の内容も非常に明快で、構成もわかりやすいですし、各章の最後には、その章のポイントが箇条書きで整理されています。読む人のことをちゃんと考えて書いているな、ということがわかる本です。ビジネス本はみ…

「金正日は日本人だった」 佐藤守著

あまりに突拍子もないタイトルにつられ買った本です。 著者は自衛隊出身ということで、思わぬ視点が書かれているのかと期待したのですが、内容は、推論に推論を重ねているため信憑性を感じられず、最終的に著者の組み立てた「ストーリー」には、いまいちピン…